108万場南宮神社境内出土異形石器

 長さ8.5p、幅3.5p、胴回り11p。やや偏平のだ円形をしている。昭和63年7月、万場の南宮神社で氏子による清掃作業中、故臼田藤松氏が、古いモミジの切り株の中から発見した。石の両端には円形の線が彫りまわされ、片方は特に深く約1o余ある。これは明らかに男根を型どったものである。石の両面のうち、片面には魚と思われる文様が刻まれ、他の面には鹿らしい動物が彫ってある。これは魚類や動物の捕獲を祈念した呪術具と思われる。なおこの出土地から西南の字藤国の桑田家には、大型石刀、磨製石斧、石鏃類、石冠が採集されている。石冠の石質はやわらかく、うす黄色をしており、当石器と同質のものであることも注目しなければならない。



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